Person 02

  • 吉田悟正面写真
  • Person 02

    ホテルマネージャー

    吉田 悟

    Satoru Yoshida

「飛鳥のおもてなし」を統括する、
高い志。

お客様と対話している写真

限られた船旅の時間に、
心地よい濃淡を描く。

飛鳥には全体で490名のスタッフがいますが、ホテルマネージャーである私の仕事は、350~360名で行っているホテルサービス全般のオペレーションを統括することです。各部門長とスケジュール確認や情報共有を密に行い、特殊なオペレーション時の段取りを確認しつつ、お客様全員が心地よい時間を過ごせているか常に気を配ります。例えば、寒い季節に温かい料理がお出しできているか、催し物に不備はないか、快適な動線になっているかなど、常に全体を見渡す視点を持たなければなりません。1泊だけの短期クルーズから100日間の世界一周クルーズまでありますが、長期クルーズでは「丁度良い」ということが意外に重要です。最高の料理、最高のショーを提供するのは当然ですが、長期の場合は和食を多くするなどお客様に飽きられない工夫をしています。船上での限られた時間を最大限に楽しんでいただくために、日々に濃淡を付けていくような「丁度良い」バランス感覚を絶えず意識しています。立場上守備範囲が広く、くまなく船内を見ているため、お客様とお話させていただく機会も多々あります。レストラン、バーやカジノなどでご一緒した際に伺った一つひとつのご意見を大事に、明日の飛鳥に活かすようにしています。

飛鳥Ⅱが見せてくれた、
完璧な皆既日食。

「沈まぬ太陽、消える太陽」を冠した2009年の世界一周クルーズは、長い乗船経験の中でも特別な思い出です。「沈まぬ太陽」は夏季の北極圏で見られる白夜、「消える太陽」は皆既日食です。「消える太陽」の観察ポイントは、最終寄港地のホノルルから横浜へ帰ってくる途中の硫黄島沖でした。計画に狂いはなく、実際にその場所で素晴らしい光景を目の当たりにすることができました。太陽がギラギラして見えるのに少し肌寒いと言う感じがしてきたかと思うと、最初は眩しすぎて直接見ることができなかった太陽が、少しずつ欠け始めているのを感じるようになりました。さらに欠けていくと、360度夕焼けのようになるのです。完全に太陽が隠れる間際、闇が徐々に押し寄せ、星が出て、気が付くと“あっ”という間に夜空が広がっていました。今まで見たことのない不思議な景色で、感動の体験でした。日本では全国的に天気が悪く、飛鳥からが一番観測しやすかったようです。お客様も「ここまで見事な皆既日食は見たことがない」と、とても感動されていました。

業務中の写真

全クルーが共に作る
「飛鳥のおもてなし」

飛鳥として、今後もいろいろな意味で文化を発信していきたいと考えています。よく日本では「おもてなし」という言葉を聞きますが、飛鳥では日本人クルーよりフィリピン人クルーが多いのが現状です。フィリピン人クルーも同じ志を共有し、「和のおもてなし」を提供できるようにしていきたいですね。そのためには、日本語の上達はもちろん、心が伝わるサービスを追求していく必要があります。日本のおもてなしは非常に細やかで、海外の方から見れば特別に感じられるものですが、一手間を惜しまず、信頼を地道に積み上げていくことが大切です。特に長期クルーズはお客様もクルーも生活の場を共にするため、人と人とのふれあいを大切に教育を行っています。飛鳥はそんな日本の文化や考え方に支えられた究極の「おもてなし」があって成り立っているのだと思います。