限られた船旅の時間に、
心地よい濃淡を描く。
飛鳥Ⅱには全体で490名のスタッフがいますが、ホテルマネージャーである私の仕事は、350~360名で行っているホテルサービス全般のオペレーションを統括することです。各部門長とスケジュール確認や情報共有を密に行い、特殊なオペレーション時の段取りを確認しつつ、お客様全員が心地よい時間を過ごせているか常に気を配ります。例えば、寒い季節に温かい料理がお出しできているか、催し物に不備はないか、快適な動線になっているかなど、常に全体を見渡す視点を持たなければなりません。1泊だけの短期クルーズから100日間の世界一周クルーズまでありますが、長期クルーズでは「丁度良い」ということが意外に重要です。最高の料理、最高のショーを提供するのは当然ですが、長期の場合は和食を多くするなどお客様に飽きられない工夫をしています。船上での限られた時間を最大限に楽しんでいただくために、日々に濃淡を付けていくような「丁度良い」バランス感覚を絶えず意識しています。立場上守備範囲が広く、くまなく船内を見ているため、お客様とお話させていただく機会も多々あります。レストラン、バーやカジノなどでご一緒した際に伺った一つひとつのご意見を大事に、明日の飛鳥Ⅱに活かすようにしています。