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  • 西口雅浩正面写真
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    飛鳥クルーズ第10代総料理長

    西口 雅浩

    Masahiro Nishiguchi

寛ぎと感動を届ける、
飛鳥流、食のおもてなし。

料理をしている写真

食のオーケストラを多彩に
輝かせる指揮者として。

私が務める総料理長という仕事は、言わばオーケストラの指揮者のような存在です。メニューを考案するのはもちろんですが、冷たいもの、温かいもの、デザートといった各パート総勢約80名の力を引き出すことで、その完成度を高めていきます。長期クルーズの場合、寄港地は様々です。ゆえに料理も多彩なものを召し上がっていただきたく、現地の美味しい食材を可能な限り仕入れるよう心がけています。経験上、渡航先にある食材の見当がつく場合は事前に確保しますが、実際に市場に出向いて選ぶことも少なくありません。一方で、意図して和食を提供する日もあります。入港日はお客様が寄港地のツアーに行かれ、地域の料理を楽しまれるのが通例なので、飛鳥へお帰りになった夜は和食でホッと寛いでいただきたいのです。そのため、クルーズの行程によってメニュー構成を変化させ、1ヶ月を超える長期クルーズの時には敢えて5~6割程度を和食にします。地球の裏側まで行っても本格的な和食を食べられるのは、飛鳥ならではの贅沢だと自負しています。

未知の食材と自ら出会い、
お客様に新鮮な体験をもたらす。

ブラジルのアマゾン川を遡航していくと、中流にマナウスという港があります。そこまで進むとかなり奥深い密林なのですが、州都が存在し、市場にはピラニアやピラルクというナマズのような魚、未知の野菜などが並んでいます。日本にない珍しい食材に触れると料理人としては刺激になり、お客様にもどうにか提供できないかと心が躍ります。馴染みのない食材はまず現地の方に調理法を聞くことからはじめ、飛鳥に戻ってメニューを考えます。食べ慣れない味に驚くこともありますが、お客様の旅の思い出の一つとして現地の料理を提供できることもやりがいに繋がっています。また、28年間の乗船経験の中で一番心に残っているのが南極クルーズです。シャーベット状の海の中、流氷の間を縫って進むには相当な技術が必要なのですが、当時の船長の計らいで、南極大陸の絶壁目前まで船を寄せることができました。そしてデッキから観察していると、すぐそこの岸壁の隙間に野生のペンギンが見えたのです。お客様もクルーも皆感動した瞬間でした。ちなみに南極のツアーでは、自然の体系を崩さないため100人までしか上陸が許可されないのですが、上陸したお客様は南極の温泉に浸かったりして楽しまれたようです。

お客様と対話している写真

食を通して、飛鳥が誇る
「和のおもてなし」を届ける。

世界には数多の客船がありますが、日本におけ るクルーズ人口はまだまだ少ないのが現状です。その中で、飛鳥は日本船として世界から羨望を集める船になるべきだと考えています。日本船を誇るのであれば、当然「和のおもてなし」を追求しなければなりません。先述の通り、特に長期クルーズでは食事で「和」を感じていただくことを大事にし、なるべく日本と変わらない食事を提供するよう配慮しています。例えば、フォーマルディナーではフランス料理をご用意しますが、インフォーマルディナーでは、和のニュアンスを感じる新しいフランス料理や懐石料理などもご用意しています。このような、食を通じた繊細な心遣いこそ、「飛鳥のおもてなし」だと考えています。飛鳥のお客様はリピーターの方が非常に多く、毎回「おかえりなさい」という気持ちでお迎えしています。飛鳥を我が家のように思っていただいているお客様のためにも、料理のバリエーションを増やし、腕を磨き、日々進化し続けていきたいです。