考え抜かれた料理プランで、
飛躍する船上の食卓。
客船料理人の世界を夢みて23歳の時に乗船して以来、私は人生の半分以上を飛鳥と共に歩んできました。そんな私が現在に至るまで一貫して大切にしていることは「よく考える」ことです。日程が100日間を超える世界一周クルーズにおいては、毎日の食事を楽しんでいただくため、各寄港地に合わせてコーディネートし、日毎のバランスを鑑み、事前に全体の構成を練った上でその日のお客様に最もふさわしい料理を決定します。ディナーでは同じメニューを提供することはありません。さらに器や盛り付けにも気を配り、日々表情を変えて新鮮な気持ちでお召し上りいただけるよう心がけています。クリスマスなど年に一度の特別なディナーは、その年のクルーズが終わった瞬間にはもう来年のメニューを考え始めています。ほぼ一年中料理のことを考えていると言っても過言ではないかもしれません。
飛鳥Ⅱの料理は国籍を限定しませんが、各ジャンルの伝統をしっかりと受け継ぎつつも、最新のトレンドも常に意識し、リピーターのお客様であっても心に深く刻まれる料理を模索しています。コースの構成を熟考した結果、セオリーである料理の提供順を敢えて変更することもよくあります。一流の料理をそういった柔軟な発想力で飛躍させるからこそ、飛鳥ならではの食の魅力が生まれると信じています。