シドニーを出た飛鳥IIはニュージーランドのフィヨルド「ミルフォードサウンド」に向けてタスマン海を航行中です。終日航海日の各種教室は、いまや船客のどなたにとっても日常になったことと思います。さて、今日は、もう8回目になるという囲碁教室にお邪魔してきました。 講師はマイケル・レドモンド先生。NHK囲碁講座でもお馴染みのクールな九段、日本文化への深い理解と流暢な日本語とくれば、船上屈指の人気講師というのもご想像に難くないでしょう。 午後の中級クラスでは、「厚みに近寄るべからず」「切った方を取れ」といった囲碁の格言を交えつつ、前半30分を講義、後半は1対4の指導碁と、お客様同士の対局でひとときを過ごしました。それにしても皆さんの表情の真剣なこと……。海の上の有意義な時間って、こういうことを言うんでしょうね。
著者紹介 高橋 敦史 旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。国内温泉旅行から海外のバックパッカー旅行、リゾート、豪華客船などまで経験豊富。写真雑誌『デジタル写真生活』元編集長であり、同誌ではディレクションから撮影・執筆も担当、平易な解説で支持を得る。現在では機内誌や旅行雑誌での海外ルポや編集長業を中心に活動し、温泉宿や旅先写真術、エッセイなどの連載も。また、クルーズ写真家として雑誌『Cruise Traveller』『クルーズ』などへ寄稿、ナショナルジオグラフィック単行本『世界の船旅』に写真提供。2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師を務め、以後ロングクルーズに乗船している。 上智大学文学部新聞学科卒、1972 年東京都生まれ。