飛鳥IIは大型クルーズ船のため、小さな埠頭には接岸できない。その場合は沖合に錨泊しローカルボートに乗りかえて上陸する。初めての経験にドキドキするが、意外に安全容易である。1隻の定員60名ほど、隻数も十分で待たされることはない。サントリーニ島でこのボート体験をした。 疾走するローカルボートから眺める飛鳥IIの船姿が美しい。どんどん船影が遠ざかる。この瞬間の思いは乗ってみないと分からない。体験できて良かったとしみじみ思う。 今日は終日航海。皆さん、教室に、講演に、催しにと、充実多忙のご様子で、節句の飾りを施した船内を走りまわっておられる。明朝イスタンブール寄港。一泊停泊するため2日にわたって上陸する。
著者紹介 小泉 澄夫 1934年生まれ。写真家、日本写真芸術学会会員、世界遺産フォーラム主宰。 「日本人の心」をテーマに風景写真を30年以上撮り続けている。ここ15年は、ヨーロッパ・北米大陸・中国を中心に世界各地の世界遺産の写真撮影や、講演活動、執筆活動を行っている。本フォトエッセイの連載は「2008年オセアニア・グランド・クルーズ」以来の2回目となる。 ■著書 「世界遺産ビジュアルハンドブック」