今日の寄港地セントジョンズは、イギリス連邦に所属しているアンティクア・バブーダの首都である。 イギリス王室も来島されるとか、品のよい南の島の街である。 タクシーで40分ほど、島の反対側に行くと、有名なネルソン提督ゆかりの造船所の遺構がある。当時、植民政策の遂行のためには、優れた艦船の維持が不可欠であったろう。どっしりとした造船所の石組みは、ネルソンの意気込みをうかがわせる。
著者紹介 小泉 澄夫 1934年生まれ。写真家、日本写真芸術学会会員、世界遺産フォーラム主宰。 「日本人の心」をテーマに風景写真を30年以上撮り続けている。ここ15年は、ヨーロッパ・北米大陸・中国を中心に世界各地の世界遺産の写真撮影や、講演活動、執筆活動を行っている。本フォトエッセイの連載は「2008年オセアニア・グランド・クルーズ」以来の2回目となる。 ■著書 「世界遺産ビジュアルハンドブック」