いよいよシドニー入港を明日朝に控え、お客様との何気ない会話のなかでも自然とその話題が増えてきました。船上からの海景はまだ大海原そのものでその実感を得るまでには至りませんが、船内に設置されたモニターなどで確認できる航路図ではシドニーが着実に近づいていることを把握でき、つい頻繁にその動向を気にしてしまう自分がいます。
一方、船内各所で催されているさまざまな教室はお客様の旅の一部としてすっかり定着しています。すでに第4回を数えたウクレレ教室では、旅の後半で発表会を開催することが突如告知されました。さらなる目標を得て練習するお客様の表情も真剣そのもの。「もう少し自主練習しなくちゃね」とウクレレを手に会場をあとにする姿はとてもハツラツとしていました。
真剣さであれば堤江美先生が担当する詩の朗読教室も負けてはいません。詩を朗読するという行為は一見単純そうに思えて、相手に伝わる発声法の基本はもちろん、どの詩を自らが選んで読み聞かせたいのかなど、普段は見過ごしがちな自身の体と心の両方に向き合う要素を秘めているようでした。こうした贅沢な時間の過ごし方もまたロングクルーズの魅力と言えます。