右舷側には雲で霞んだヨーロッパ大陸、そして左舷側にはくっきりとアフリカ大陸が見えています。海峡の最も狭い箇所は、イベリア半島最南端のタリファ岬とモロッコのアルカサル・エ・セリル間の14キロで、地図上ではとても狭く見えますが、実際はかなり広い海域でした。また、この海峡は古来より戦略的に重要な位置付けがなされてきたため、現在、北岸のジブラルタルには英国軍が、南岸のセウタにはスペイン軍が駐屯してるという、若干キナ臭い場所でもあります。
船が大西洋上に達し、午後には谷岡清先生による美術講座「ポルトガルが変えた!日本の歴史と美術」がハリウッドシアターで行われました。日本とポルトガルの関係といえば、種子島に漂着したポルトガル人の火縄銃から始まり、イエズス会フランシスコ・ザビエルの来日など、日本の歴史に多大な影響を与えたことで知られていますが、芸術の分野でもかなりの影響があったという話です。狩野内膳の南蛮屏風から平賀源内や葛飾北斎といった江戸時代の巨匠に至るまで、いかにして日本の美術が西洋の影響を受けていったか、今回も興味深い解説で楽しませていただきましたが、残念ながら谷岡先生の講演は今回で最後となりました。
夜は、スペインで活躍するバレエグループ、マエストランサのショーが行われ、フラメンコの情熱的なサウンドと、芸術的な踊りを楽しむことが出来ました。