昨夜遅くにサラーラを出航した飛鳥IIはこの先、アラビア半島を回り込むように紅海に入り、スエズ運河を通航します。このクルーズのハイライトのひとつでもあるスエズ運河を挟んで、次の寄港地ミコノスまでは中8日。ゆったりと時間が取れる期間でもあります。そんな連続終日航海の初日のきょうは、はるか東洋を思い起こす船内行事が続きました。
午前中のハリウッドシアターで催されたのは綿谷基さんによる講演「墨の不思議な魅力」(写真右下)。固形墨の95%が奈良で作られ、天平時代より1300年の歴史をもつという墨の魅力を紹介してくれました。この綿谷さん、このあとは「絵手紙教室」の先生として船内でご活躍の予定。見どころ続くスエズから地中海で絵手紙を書いてみるのも素敵ですよね。
今晩のコンサートには中国琵琶奏者で歌手のTingTingさんが登場(同上)。「ペルシア起源のこの楽器は東に行って琵琶になり、西でギターになりました。日本では横にしてバチで弾く琵琶が残った一方で、中国では縦に持って指で弾くソロの楽器としての琵琶が残ったんです」。大学で教鞭を振るうTingTingさんだけに、演奏はもちろん、トークのほうも抜群でした。