船は向きを変え、大森13m岸壁に入ると、地元の学生達がお揃いの衣装をまとい、笛太鼓で迎えてくれた。
入港後、早々に能代駅近くの「有形文化財 旧料亭金勇」を見学した。日本家屋の良さを改めて感じながら、急ぎ足で駅へ向かう。一時間に1本の五能線を求め、能代駅から十二湖駅までの切符を購入した。
ワンマンカーと表示されていたが、2両電車の前方車両に、運転手と車掌がいる。殆どが無人駅、前車両だけ扉が開く。八森駅を通過した頃から、白神山地一帯が見えてきた。9個目の岩舘駅を過ぎると、更にゆっくりと、日本海の海岸線すれすれにガタンゴトン進む。車掌ガイドさんの声が流れ、大間越駅に着いた。贅沢なローカル線と、連なる山々、真下の海が思い出箱に入っていく。