最初の閘門となるガトゥンロックは、3つの閘室を使い、海抜26メートルのガトゥン湖まで一気に上がるというパナマ運河最大の見所で、暑い中にもかかわらず大勢の人がデッキから見学していました。ここを通過できる船の最大サイズは通称パナマックスと呼ばれ、幅は32.3メートルまでとなっています。飛鳥IIの最大幅が29.6メートルですから、クリアランスはわずかに2.7メートルしかありません。この僅かな隙間を保つため、閘門の両側にはラック式の線路が敷設されていて、船を両側の機関車がそれぞれワイヤーで引っ張りながら牽引しているのです。
ガトゥン湖に出てからは、雄大なダム湖の風景を眺めながら暫くのんびり過ごすことが出来ました。そしてゲイラードカットと呼ばれる幅の狭い区域に入ると、左舷前方に大きなワニが居るというアナウンス。よく見ると砂浜に3メートルほどのワニがじっとしています。その次は右舷に、そしてまた左舷と、合計3匹のワニを目撃することができ、皆さんとても満足そうでした。センテナリオ橋をくぐってペドロミゲルロックに入ると、目の前に積乱雲がもくもくと立ち上り、この先は雨が降っているように見えます。そして、ミラフローレスロックの手前に来るといよいよ雨が降って来て、目の前に綺麗な虹が現れました。しかし雨はすぐに上がり、飛鳥Ⅱは最後の閘門ミラフローレスを抜け、アメリカ橋をくぐってようやく太平洋へ到達です。長い1日でした。