イタリアのチビタベッキア出航後、飛鳥IIは夜半にフランスのコルシカ島とイタリアのサルデーニャ島の間を抜けました。いまは明日の寄港地、スペインのバレンシアに向かって西進中です。きょうの『アスカデイリー』にはスペイン語教室やフラメンコ教室、フラメンコショーといった文字が踊り、船内は途端にスペイン一色に塗り変わっています。
そんな中でひときわ異彩を放ったのがハリウッドシアターでの講演『海の上から想う日本絵画』。担当は『ヘンな日本美術史』でお馴染みの山口晃先生(写真左下)です。昨日おとといとローマで観たミケランジェロやダヴィンチなどの作品を枕にしつつ、それとは全く異質な日本画の世界を、つぶやくような語り口とコミカルな板書で教えてくれました。
また、夕方にはスペインのマヨルカ島を左舷に遠望。ノコギリの刃のような岩山が続いたかと思えばその先の小さな入り江にビーチがあったり(同上)、急峻な斜面に細かな石垣を築いて段々畑が作られていたり……。晩のロレナ・サムディオ・ポレイ&フアナ・マルケスによるフラメンコショー(同右下)も、明日のバレンシア入港を期待させる情熱的なショーでした。