旅の始まりはいつも私たちを特別な気分にさせてくれるものですが、それが船旅、しかもロングクルーズとなればその思いもひとしおです。出国手続きを済ませて飛鳥IIの船内に一歩踏み入れれば、そこはもう別世界。プロムナードデッキから眺めると、見慣れた景色がいつもより遠くの存在に感じられるのだから不思議なものです。
14時、ついに横浜・大さん橋を出港。大勢の方々がお見送りにいらっしゃる中、小さな子供たちが声を合わせて「いってらっしゃーい!」と元気な声を響かせていました。おそらくはお客様どなたかのお孫さんなのでしょうが、しばしの別れの寂しさを振り切ろうと懸命に張り上げたその声は、これから同胞として旅立つ私たち全員にも等しく届けられているようでした。
大勢のお客様が乗船する神戸を明日に控え、船内は終日落ち着いた雰囲気。初乗船のお客様はクルーズスタッフの案内で船内の各施設を巡っていらっしゃいましたが、お気に入りの場所は見つかったでしょうか? 夕食後にはギャラクシーラウンジでアスカオーケストラによるバンドショーが開演し、息の合った演奏でクルーズ初日の夜を華やかに彩っていました。