寄港地ではさまざまなツアーが用意されていますが、なかでもここマニラでの「フィリピン商船大学を訪ねて」というプログラムは趣向が異なります。この大学は日本郵船と現地法人が共同運営しており、見学時には若き学生たちが私たちを出迎え、飛鳥IIをはじめ日本郵船の所有する商船で働くことを夢見て奮闘している姿を見せてくれました。
出港前にはひとつサプライズが。岸壁で見送るフィリピン人クルーの家族たちに向けて、飛鳥IIで初の試みとなるタガログ語での感謝のアナウンスがありました。続くセイルアウェイ・パーティーでは通常は外地寄港地では見られないテープ投げも行われ、この日の主役であるフィリピン人クルーたちは感傷混じりの表情で家族との別れの瞬間を噛み締めていました。
お客様ともども一大イベントを終えたという安堵感が漂う夜、パームコートではナマナと増田クルーズディレクターによる琉球音楽ライブ「美ら唄海流」が催されました。急遽増席するほどの人気ぶりで、クルーズスタッフもエイサーやカチャーシーで参加。本場沖縄の民謡居酒屋さながらの盛り上がりで、起伏に富んだ長い一日は満面の笑みで締めくくられました。