ブエノスアイレスを昨晩11時50分に出航した飛鳥IIは、夜のうちにラ・プラタ川を川下へ戻るかたちで航行しました。写真上は朝8時50分ごろに出合ったイタリアの客船MSCリリカ(5万9058t)。増山キャプテン曰く「水路の幅は最も狭い所で150m程度」だそうで、間近でのすれ違いは壮観です。 午後3時にはウルグアイのモンテビデオ港に着きました。するとすぐさま別の大型客船が飛鳥IIに続いて舳先を接するのではと思うほどの近さに着岸。目前には旧市街の洋風建築があり、いくつかの尖塔がそびえています。右手に軍港、泥濁りの港の沖合にはうち捨てられた沈船の群れ……。何だか不思議な眺めです。 多くの方がウルグアイという国の姿を想像できないかもしれません。その首都モンテビデオは、古い石造りの洋風建築と近代的なビル群が入り交じる立派な都市でした。旧市街にはカラフルに塗り分けられた土産店やレストランも連なり、世界各国からの船客を楽しませているようです。
著者紹介 高橋 敦史 旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。国内温泉旅行から海外のバックパッカー旅行、リゾート、豪華客船などまで経験豊富。写真雑誌『デジタル写真生活』元編集長であり、同誌ではディレクションから撮影・執筆も担当、平易な解説で支持を得る。現在では機内誌や旅行雑誌での海外ルポや編集長業を中心に活動し、温泉宿や旅先写真術、エッセイなどの連載も。また、クルーズ写真家として雑誌『Cruise Traveller』『クルーズ』などへ寄稿、ナショナルジオグラフィック単行本『世界の船旅』に写真提供。2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師を務め、以後ロングクルーズに乗船している。 上智大学文学部新聞学科卒、1972 年東京都生まれ。