いつもより早い朝7時頃に、浅井船長の船内放送がありました。「カボ・サン・ルーカスの近くを通ります。この近くは海亀、アシカ、イルカがたくさん見られるところです。岩山も美しく、周辺の景観をお楽しみください。」との内容です。 飛鳥IIは大きく右舷方向に舵を切り、湾内に向っています。カボ・サン・ルーカスの町並も、湾入り口の大きな岩も良く見えます。サン・ルーカス岬、ロス・カボスの町も良く見えました。浅井船長の配慮が感じられるシーンでした。 ついにイルカの大群に遭遇しました。左舷から右舷に回り、ジャンプしながら移動してゆきます。イルカは飛鳥IIのスピードにはついてゆけず、遅れてゆきます。潜っている時間もあるので瞬く間に遠ざかります。急いで何枚かシャッターを切った中に、数頭かたまって泳ぐ群れが撮れていました。水を切って進むイルカは躍動的です。長年にわたり飛鳥に乗船している人も、これだけの大群は初めて見たということでした。
著者紹介 水島 和實 東北大学卒業。会社員を定年退職後に写真を撮り始め、桜、紅葉、滝などの風景を中心に撮影。2002年世界一周クルーズ、2003年アジアグランドクルーズ、2004年ハワイ・アラスカグランドクルーズ、2005年オセアニアグランドクルーズ、2006年アジアグランドクルーズ、2007年オセアニアグランドクルーズ、2008年世界一周クルーズ、2010年アジアグランドクルーズに「飛鳥II」写真教室講師として乗船。 本フォトエッセイの連載は今回で7回目となる。 ■写真集/ ■その他/ 「滝 永遠との出会い」 「ワンダーフォト」主催 ラビー八重洲写真教室講師