客室テレビに映し出される現在位置からすると、飛鳥IIは今朝からすでにオーストラリア大陸の西端をかすめるように進んでいます。ついに5大陸の一番目との対面かと気だけは逸りますが、陸地からは50~60キロ離れているようで未だ姿を見せてくれません。 飛鳥IIの最上階にあたる12デッキでは飛鳥名物「いか跳ばしタイム」が始まっていました。ルールは単純、足先に乗せたオモチャのイカをどれだけ遠くに飛ばせるか。皆さん器用に片足でバランスを取りながら、えいやっと跳ばしては笑顔が溢れます。 それにしても歴史に名を残す探検家が新大陸を発見した時の気持ちって、どんなものなんでしょうね。まだかまだかと待つわけでもなくのんびりイカ跳ばし……なんてことはないでしょうけど(笑)。
著者紹介 高橋 敦史 旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。国内温泉旅行から海外のバックパッカー旅行、リゾート、豪華客船などまで経験豊富。写真雑誌『デジタル写真生活』元編集長であり、同誌ではディレクションから撮影・執筆も担当、平易な解説で支持を得る。現在では機内誌や旅行雑誌での海外ルポや編集長業を中心に活動し、温泉宿や旅先写真術、エッセイなどの連載も。また、クルーズ写真家として雑誌『Cruise Traveller』『クルーズ』などへ寄稿、ナショナルジオグラフィック単行本『世界の船旅』に写真提供。2014年ワールドクルーズより飛鳥IIの写真教室講師を務め、以後毎年ロングクルーズに乗船している。 上智大学文学部新聞学科卒、1972 年東京都生まれ。