昼食をとり始めた頃には濃紺であった海の色が、途端に薄い緑色に変わりました。それに伴ってか、うねりがあった海上にも穏やかさが戻ってまいりました。 どうやら、飛鳥Ⅱはラプラタ川の河口に入ったようです。目を凝らせば小さな島影の向こうに薄らですが、モンテビデオ(ウルグアイ)の街並みを見ることができます。 夕刻、予定通りラプラタ川のパイロットが乗船しました。これから約130マイルを9時間以上かけ、水深の浅い水路をのぼってブエノスアイレスを目指し航行していく予定です。
著者紹介 篠本 秀人 1957年生まれ。88年から98年まではマイアミをベースに、主にカリブ海のダイビングスポットのレポートを日本の雑誌に紹介。 客船の撮影コーディネートの仕事をきっかけにクルーズの世界へ入り、20年以上にわたってクルーズ専門誌へ記事や写真を掲載するかたわら個展も多数開催している。