飛鳥IIは西進してアイスランドに向かっています。今朝は久しぶりのブリッジオープン(操舵室見学会)があり、多くの方が訪れていました。だからじゃないですけど、きょうは少し裏側の話をしようと思います。 晩の食事はゲストシェフ・奥田政行さんを招いてのイタリアンでした。こういう特別な日になると筆者はたいがい、BS朝日『世界の船旅』のカメラマンとともに料理撮影に臨みます。2回目の夕食が終わった後のダイニングルームに改めてひと皿ずつ出してもらい、専用の照明機材で撮影するのです。 美味しいものを美味しく写すよう頑張るわけですが、筆者自身「さっき食べたあの美味しさ」を覚えているから自然と力が入ります。飛鳥IIのお料理はこうした作業を経た上で雑誌やテレビに出てゆきます。夜10時を過ぎているのに窓外が明るいのも高緯度地域ならではで、ちょっと不思議な気分です。
著者紹介 高橋 敦史 旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。国内温泉旅行から海外のバックパッカー旅行、リゾート、豪華客船などまで経験豊富。写真雑誌『デジタル写真生活』元編集長であり、同誌ではディレクションから撮影・執筆も担当、平易な解説で支持を得る。現在では機内誌や旅行雑誌での海外ルポや編集長業を中心に活動し、温泉宿や旅先写真術、エッセイなどの連載も。また、クルーズ写真家として雑誌『Cruise Traveller』『クルーズ』などへ寄稿、ナショナルジオグラフィック単行本『世界の船旅』に写真提供。2014年ワールドクルーズより飛鳥IIの写真教室講師を務め、以後毎年ロングクルーズに乗船している。 上智大学文学部新聞学科卒、1972 年東京都生まれ。