ちっとも日が沈む気配のない昨夕7時に極北のレイキャビクを出航した飛鳥IIは、いまニューヨークを目指して北大西洋を南下しています。いったん南下してから西に行くのは氷山が浮かぶ海域を迂回するからで、定時の船内放送でキャプテンが冗談めかして話した通り「タイタニックの二の舞を避けるため」です。 1時間後進の時刻改正でのんびり目覚めた今朝、海はひさしぶりのベタナギでした。空は雲に覆われていますが風も波もなく、薄灰色の世界を滑るように進んでいます。幸先のいい大西洋横断初日です。 夜には待望の「つのだ☆ひろコンサート~きらめく昭和歌謡・歌の旅~」が催され、多くのお客様がつのださんのパワフルな歌声とドラムのリズム、そしてバンドの素晴らしい演奏に酔いしれていました。
著者紹介 高橋 敦史 旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。国内温泉旅行から海外のバックパッカー旅行、リゾート、豪華客船などまで経験豊富。写真雑誌『デジタル写真生活』元編集長であり、同誌ではディレクションから撮影・執筆も担当、平易な解説で支持を得る。現在では機内誌や旅行雑誌での海外ルポや編集長業を中心に活動し、温泉宿や旅先写真術、エッセイなどの連載も。また、クルーズ写真家として雑誌『Cruise Traveller』『クルーズ』などへ寄稿、ナショナルジオグラフィック単行本『世界の船旅』に写真提供。2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師を務め、以後ロングクルーズに乗船している。 上智大学文学部新聞学科卒、1972 年東京都生まれ。