ローアクティビティーデーのきょうは船内新聞に記された催しも少なめ。見渡す限り海の上のそんな日には、ゆったり気分にふさわしい「詩の朗読教室」がお勧めです。講師は詩人で元アナウンサーの堤江実さん。発声の基礎を学び、気持ちよく声を出して詩を詠む教室です。 「体幹さえしっかりしていれば声もしっかり出るんです。キリッと見えるし、何歳か若く見えるはずですよ」。濁音と鼻濁音の使い分けや滑舌法なども教わって、ひとりずつ好きな詩を全員の前で朗読してゆきます。 きょうで2度目の教室だけに皆さんだいぶ慣れたよう。先生からも「間の取り方が上手ですね」とのお褒めの言葉。飛鳥IIの教室にしては珍しくマリナーズクラブが会場なのも詩の朗読にふさわしく思えます。ひとつひとつの言葉が心に沁み入る穏やかで濃密なひとときが、そこにはありました。
著者紹介 高橋 敦史 旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。国内温泉旅行から海外のバックパッカー旅行、リゾート、豪華客船などまで経験豊富。写真雑誌『デジタル写真生活』元編集長であり、同誌ではディレクションから撮影・執筆も担当、平易な解説で支持を得る。現在では機内誌や旅行雑誌での海外ルポや編集長業を中心に活動し、温泉宿や旅先写真術、エッセイなどの連載も。また、クルーズ写真家として雑誌『Cruise Traveller』『クルーズ』などへ寄稿、ナショナルジオグラフィック単行本『世界の船旅』に写真提供。2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師を務め、以後ロングクルーズに乗船している。 上智大学文学部新聞学科卒、1972 年東京都生まれ。