午後4時過ぎ、浅井船長より「予定より時間を早めて抜錨します」とのアナウンスがありました。夕暮れ時のハロン湾の景色を皆さんに楽しんでいただこうという船長の粋な計らいです。 デッキに出て海に浮かぶ奇岩群を眺めていると、雲の合間から夕日が顔を出し水平線を照らし始めました。そして辺りが闇に包まれる頃、水先案内のパイロットが手を振りながら去って行きました。 飛鳥Ⅱはこの後トンキン湾から南シナ海へ出て、次の寄港地ベトナム中部の「ダナン」を目指します。
著者紹介 大木 信哉 東京都江東区出身 1980年代より、インドネシアのバリ島をはじめ、アジア各地で人々の生活や文化などをテーマに撮影取材を続けている。 2012年には、写真展『心のキューバ』を、東京、大阪、福岡、名古屋の四都市で開催。 活動の場はアジアだけにとどまらず、ラテンアメリカにも広がっている。