4月3日の横浜出港は嵐だった。日本は猛暑続きというので覚悟していたが、今日は気温が上がらず風もさわやかで、おだやかで平穏な入港である。 横浜港大さん橋国際客船ターミナルに接近する頃から、7デッキで入港パーティーが開かれた。アスカオーケストラの演奏が流れるなか、出迎えの人に手をふるかたわら、お客さん同士、そしてクルーズスタッフとの別れの挨拶を交わし、最後の記念撮影をしようというので、7デッキは涙と泣き笑いの混乱状態。 9デッキの廊下では、私たちの部屋の担当キャビンスチュワーデス、マッグスが泣くので、元気で頑張ってねというこちらも涙声になってしまった。 下船してから冒頭の写真(これが最後)を撮る。乗船客の皆さん、飛鳥Ⅱ乗組員のみなさん、寄港地で出会った皆さん、ありがとうございました。105日間、世界のあちこちで奇跡的な美しさを見せてくれた空と海にも感謝。 最後になりましたが、フォト&エッセイにお付き合いくださった皆さん、ありがとうございました。またいつか、飛鳥Ⅱでお会いしましょう。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員