午後6時からは、ギャラクシーラウンジで「国本武春 三味線コンサート」。 「船上で浪曲?」と思っていたが、すごい!津軽三味線もスペインのフラメンコ、ロック、カントリーミュージック、とさまざまなジャンルの音楽を三味線だけで、弾いてしまう。 そして、忠臣蔵の松の廊下の場面を題材に、浪曲の聴き方、掛け声の掛け方などをコミカルに話したあと、いよいよ本番、切腹を命じられた浅野内匠頭と密かに会いに来た忠臣とのやりとり、忠臣蔵の始まりの短い場面を演じた。 これが浪曲のイメージを180度覆すもので、ロックとバラード風の音楽で情感たっぷりに歌い上げる。どちらかというと、一人で演じるミュージカル。 なぜ「忠臣蔵」があんなに日本人に受けるのか、これまで疑問に思っていたが、これだけ情感たっぷりに演じられると、「ああ、これか……」と腑におちた。浅野家の悲劇に同情し、忠臣たちの心情を美しいと思い、浄瑠璃や歌舞伎、戯曲、小説、映画などで繰り返し語り伝えてきた日本人の心情が伝わって来て、涙があふれてきて困った。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員