早朝5時半、目ざまし時計がなるのと同時にエンジン音が接近してきた。パイロットが乗船したのだ。急いで11デッキに出てみると、日の出が7時2分なので周囲はまだ夜景。水平線上にコンビナートや陸地の灯りがきらめいている。 5時50分、前方にクルーズセンターと岸壁が見えてきた。岸壁に停泊している客船はオーシャンドリーム号、ピースボートである。 6時30分ころ岸壁に接近した飛鳥Ⅱは、大きく方向転換してから、バックで出船右舷づけで着岸した。 写真の左手上に小さく、動き出したゴンドラが写っている。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員