乗船以来のご馳走続きに、昼食後、手打ちうどん教室でうどんの試食までしてしまい、お腹がすかない。夕食はグリルコーナーで軽く済ませることにした。 グリルコーナーは11デッキのリドカフェ左舷側にあり、午後1時半から7時半まで、ハンバーガー、スパゲティ、ピザ、たこ焼き、ざる蕎麦など(日によってメニューが異なる)の軽食を提供している。ほかにアイスクリームや、クッキー、各種かき氷などのおやつもあり、「朝食、昼食、軽食、夕食と毎日4食、食べています」という方もいる。 蕎麦御膳セットをいただいた後、同じ11デッキの船首、ビスタラウンジに移動して、他に4人の方と一緒に食後のコーヒーやハーブティーを飲んでいると、太陽が雲から水平線に向かって下りてきた。これまで見たことのない黄色い大きな太陽だ。青木がカメラを持って外に出た。太陽が水平線に沈み始め、地上に見える部分が四分の一を切り始めたころ、太陽の両端から緑色の光が発生して、沈む直前の太陽を完全に覆った。グリーンフラッシュである。一瞬のドラマ。生れて初めて見たので、今日はグリーンフラッシュ記念日。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員