午後2時からは、分子進化学者 岡田典弘氏2回目の講演「シーラカンス発見物語」を聴く。1938年南アフリカのイーストロンドンで発見されてから14年後、南アフリカとマダガスカルの間にあるコモロ諸島で2番目のシーラカンスが発見された時に、当時の南アフリカ首相がシーラカンスを運ぶのに空軍機を飛ばした話。コモロ島以外に、タンザニア沖が生息地であるとわかったのは、タンザニア沖でシーラカンスが漁師の網などにかかることが多く、日本との共同研究をすることになったためで、シーラカンスのゲノム研究で、他の脊椎動物に比べてDNAの進化速度が遅い事や、陸上化の中間体である証拠、DNAレベルでの前適応の証拠が見つかった話など。シーラカンスのひれの骨の発達は陸上化のためではないので陸上化の前適応であるという。同じ例=恐竜の羽毛の発達(保温のためだが、その後飛ぶために使用された)は鳥の前適応である。 夜は清塚信也ピアノコンサート。ショパンの生涯や名曲誕生の逸話、曲の解説など巧みな話術と、「別れの曲」をはじめとする「夜想曲」「英雄ポロネーズ」などの繊細で美しいショパンの名曲演奏で、観客は清塚信也の世界に惹き込まれた。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員