飛鳥Ⅱは、昨夜11時21分に赤道を通過して北半球に入った。朝の船長の放送によると、現在飛鳥Ⅱは今回のクルーズで日本からもっとも遠い地点(直線距離にすると8000マイル、約14800km)を航海中。 午前9時からのショールアレンジ教室にでかける。 数日前から、船内のショップ「ペガサス」で展示されている素晴らしい刺繍のストールが目について仕方がない。インドからきた刺繍職人が店内で刺繍の実演をやっている。かつてはマハラジャにシルクターバンを献上していた、百年の歴史を誇る工房の熟練した職人が何年もかけて刺繍した、世界にたった一枚だけの贅沢なカシミールショールである。繊細、緻密、華麗、洗練の極みにエキゾチックな異国の香り。 そのストールをより美しく見せる巻き方の数々を教えるというので、教室は超満員。フォーマルドレスをより豪華に見せるショールの数々にため息。写真で民族衣装をつけている男性が、店内で実演している刺繍職人。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員