7時45分、「レユニオン島一周1日観光」ツアーのバス3台は、南に向かった。15分ばかり走ると、海側に南国らしい木々に囲まれた美しい町が見えてきた。地図を見ると、このあたりはサンポールと呼ばれる地域。 高速道路は、厚い雲に覆われた山裾にあるのだが、海側にも深い渓谷があって、そのはるか下方に家や町がある。傾斜がすごいのだ。ドライブは、アフリカに近いインド洋の小さい島というイメージを裏切る快適さ。 サンピエールという町から内陸部へ向かう道路に入る。家や商店が立ち並ぶ間を走る狭い坂道で、2台のバスがすれ違った時は、車内から思わず「おお!」という声が上がった。 小さなしゃれた家々の庭や生け垣には、色とりどりの花が咲き乱れている。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員