飛鳥Ⅱは午前8時過ぎにガツンロックを出て、ガツン湖に入った。太平洋側から19隻、大西洋から16隻の船がパナマ運河に入っていて、パナマ運河側の都合で、1時間ガツン湖に投錨して時間調整をすることになった。 朝食をいただいて、のんびりしていると、午前10時10分に運航開始。12時にガンボアを通過、ゲイラードカットを経て、90メートルの高さのセンテナリオ橋をくぐって、12時50分頃スコールの中に突入した。午後1時5分、ペドロミゲルロックに達する。今度は右側に、新運河の工事現場、まだ地面を少し掘り下げただけ、が見えた。順調に航行して最後のミラフローレスロックを3時15分に通過(写真)して、1時間の遅れを取り戻した。太平洋に出るアメリカ橋の手前で、前よりも激しいスコールになった。 ミラフローレスロック通過中、幸いにもスコールがあがり、左側にある展望台に鈴なりの観光客とエールを交換。パナマ運河通峡のハイライトである。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員