今日のドレスコードはフォーマル。そして、フォーマルにふさわしいマウロ・カルデロンさんの三回目、最後のコンサートである。 一緒に登場するアルド・デルガディージョさんは、オルガン奏者。日本製の電子オルガンで、深みと広がりのある幾種類もの音を駆使して、情熱的で不思議な音楽の世界を構築する。凄いとしかいいようがない。 アルド・デルガディージョさんの演奏の後、マウロ・カルデロンさんが登場して、「ボラーレ」「オーソレミーオ」「アルディラ」「スマイル」などを歌う。伴奏はアルド・デルガディージョさんの重層的な音を奏でるオルガン。 素晴らしかったのは日本語で歌った「千の風になって」。詞はきれいだが、曲は単調という印象を持っていたこの歌が、微妙で複雑な感情と、繊細な感性を持った美しい曲であることを知った。あんまりきれいで泣けたという方に共感した。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員