対岸に渡ったところで、自由行動となり私達は「サンマルコ広場」に戻った。観光客で大混雑の広場は、敷石の照り返しが強くじりじりする暑さである。 「サンマルコ寺院」や時計塔、鐘楼、広場に面したレストラン、そこで演奏している楽隊、鳩に餌を与える子供たちの姿を撮影したあと、狭い路地裏に入った。高級ブランド店などがぎっしり並んでいて、どこもかしこも観光客だらけだ。高級ブランドの大きな紙袋を下げた飛鳥Ⅱのお客さん数人と擦れ違う。 寺院前や小さな運河の橋の上など計三か所で、中年男女、中年男性のみといった十数人の合唱隊がコーラスしていた。地元のお店の人が苦笑いで見ていたので、コーラスは上手だったが素人の集まりなのだろう。 あまりの暑さに、小さな寺院の前のアイスクリーム店でアイスクリームを買う。カップに入れた量が多くて青木が注文と違うと慌てたら、青年の店員が「これがベニスのサービスさ」と素敵な笑顔を見せてくれた。1カップが1ユーロ。 アイスクリームを食べながら、飛鳥Ⅱに戻るシャトルボート乗り場に向かい、最終のボートで飛鳥Ⅱに戻った。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員