朝6時にカーテンを開けると、アヤソフィア、ブルーモスク、トプカプ宮殿が立ち並ぶ、イスタンブールの絵葉書そのままの光景が目に飛び込んできた。 トプカプ宮殿の角を回って、飛鳥Ⅱはガラタ橋そばのサリパザルターミナルへと向かい、旧市街、ドルマバフチェ宮殿が見えるヨーロッパ地区、ボスポラス大橋とその先に広がるアジア地区がパノラマのように広がる光景の真ん中に着岸した。上空を旅客機が頻繁に通過する。 目の前のマルマラ海には大小様々な遊覧船やフェリー、ボートが行き交い、飛鳥Ⅱのような客船も航行するので、こんなに数多くの船と、こんなに混雑した海を見るのは生まれて初めてである。 8時50分「トプカプ宮殿と旧市街1日観光」ツアーへ出発。アヤソフィアとトプカプ宮殿周辺はすでに大勢の観光客で列ができている。イタリアの観光地はどこも観光客で混雑していたが、それを上回る。アヤソフィアの通勤電車並みの狭い入り口を入ると、そこはエキゾチックな別世界。言葉を失う。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員