オスマン調と西洋のロココ調やバロック調が混然一体となった宮殿内部には、36個のシャンデリアがあり、手すりがクリスタルという階段があったり、ヘレケという地方で特別につくられた絨毯や、ロシア皇帝から贈られた熊の毛皮、壁面を飾る数多くの絵画などがあって見ごたえがある。 私達が一番興味があるハーレムは、オスマン朝では、王の母が統治する場所を意味していて、宮殿の後方にある。写真は、宮殿の真ん中にある儀式の間の海側の出入り口だが、この二階がハーレム(右手)につながる廊下になっている。 私達は廊下を見学し、廊下の両側にある窓から儀式の間や海を見た。ハーレムの女性たちも廊下の窓から儀式を見たのだ。ハーレム見学の入り口は宮殿の裏側にあり、私達は写真の出口から外に出て、右手からぐるりと裏手に回って、ハーレムの内部に入った。女性達の小さな部屋がアパートのようにいくつもあるのや、子供部屋、メイドの部屋、大理石でできた浴室やトイレ、王の母の寝室などを見学。私達の好奇心はかなり満たされたといってもいいだろう。当然ハーレムも撮影禁止だった。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員