町から7kmのところにある「デューン7」と呼ばれている砂丘に行った。標高は80mというので、楽に頂上まで登れると思ったが、バスから降りると、急こう配で唖然とする高さ。 砂が非常に細かく、自分の重みでスニーカーが埋まってしまうので、次の一歩を踏み出すのに、歩く時の何倍かのエネルギーがいる。次の一歩で、また砂の中に足が沈む。全然前に進まない。 20歩登って休み、10歩登って気が怯み、勇気を振り絞って10歩登り、もう、このあたりで止めようかと休んでいると、若いクルーズスタッフが頂上に達して歓声を上げる。もう少しもう少しと休み休み登って遂に頂上に到達した。 途中からは四つん這いで登ったが、砂が火傷しそうなくらいに熱い。バス4台のツアーで、頂上に達したのはクルーズスタッフを含めて16人ほど。 飛鳥Ⅱに戻って足を洗うと、浴槽に残った砂が赤いレンガ色をしていた。ナミブ砂漠の砂は、酸化鉄が多く含まれているので赤いのだ。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員