王家の一族とそれを守る人、手に技術を持った人だけが生活していたミケーネ遺跡を後にして、ふもとの町で昼食をとる。チーズパイとチキンパイ、ズッキーニや人参などの野菜の煮物。野菜ソースのかかった白身の魚、味付けが日本人にあっていておいしい。 農業国であるギリシャは、石灰岩の山また山の連続。夾竹桃の花、オリーブ畑、葡萄畑、オレンジ畑、収穫が済んだ杏畑のなかを次に訪問地へと向かう。 2時45分、紀元前4世紀に造られて、現在も年に数回コンサートに使われる野外劇場エピダウロスに到着。樹木が生い茂って涼しい木陰をつくっているこのあたり一帯は、当時の健康保養施設で、ヒポクラテスもこの地で治療を受けたといわれている。かつては治療施設の他に精神や肉体の健康保持にいいとされる数種類のスポーツ施設もあって、劇場もそのひとつだったのだ。 現在は禁止されているが、特別の許可を得たというので、劇場の真ん中で大声を上げたり、全員でコーラスをして反響の良さを確かめ、ご機嫌で記念写真。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員