飛鳥IIはランカウイで折り返し、マラッカ海峡を今度は南東に向かって航行しています。狭い海峡だからでしょうか、ここ何日か風はあっても波は少なく、海面はきょうもご覧の通りの穏やかさ。デッキから下を望むと、舳先が作った無数の泡がはじけてゆくシュワシュワという小さな音が聞こえます。 相変わらず周囲にはたくさんの貨物船やタンカーなどが行き交っていて、時折イルカの群れも現れました。周回できる7デッキの屋外を歩いていると、「さっきのイルカ見た? すごい群れだったよねえ」とお客様。いかにも船の旅らしい、ゆったりとした時間が流れています。 船内では午前中には「飛鳥IIから見える様々な船」の講演(写真左下)がありました。ディナー前にはバレンタインのチョコレートが振る舞われ、食事の後にはお客様が主役のかくし芸大会(同右下)も。皆さんの芸達者ぶりに会場からは惜しみない拍手が。きょうも楽しいクルーズライフを満喫できました。
著者紹介 高橋 敦史 旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。国内温泉旅行から海外のバックパッカー旅行、リゾート、豪華客船などまで経験豊富。写真雑誌『デジタル写真生活』元編集長であり、同誌ではディレクションから撮影・執筆も担当、平易な解説で支持を得る。現在では機内誌や旅行雑誌での海外ルポや編集長業を中心に活動し、温泉宿や旅先写真術、エッセイなどの連載も。また、クルーズ写真家として雑誌『Cruise Traveller』『クルーズ』などへ寄稿、ナショナルジオグラフィック単行本『世界の船旅』に写真提供。2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師を務め、以後ロングクルーズに乗船している。 上智大学文学部新聞学科卒、1972 年東京都生まれ。