昨日、午後9時にミコノス島を抜錨した飛鳥Ⅱは、エーゲ海の島と島の間を航行し、今朝はペロポネソス半島の180キロ沖合を西に向けて航海中で、今夜0時にマルタ海峡を通過する予定である。 午前10時、イスタンブールから乗船したドナルド・キーン氏の講演「日本との出会い」を聴く。東日本大震災後、日本国籍を取得したことが話題になったキーン氏は、今年91歳。食事の時などにお見かけするが、とてもお元気で、介添えなしで歩いておられる。 今回、新たなエピソードを加え、米国での生い立ちから日本語を学ぶようになったいきさつ、軍隊での通訳の仕事を経て英国の大学院で再び学生生活を送り、なんとか大学講師の仕事を得て、紆余曲折の末ついに来日。下宿先で偶然、京大の助教授だった永井道雄氏と出会い、そこから日本の著名な文学者たちと知り合うまでを、ユーモアたっぷりに語り、会場からは時々大きな笑い声が上がった。
著者紹介 青木 勝 1944年生まれ。東京工芸大学卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社を経てフリーに。70年、日本航空嘱託契約カメラマンとして飛行機を撮りはじめる。航空雑誌、カメラ雑誌などに、飛行機写真を連載、写真展開催などで飛行機の魅力を広め、独自の飛行機写真の確立と発展 に努める。「2000年 世界一周クルーズ」、「2004年 南極・南米ワールドクルーズ」、「2009年 世界一周クルーズ」に乗船。(社)日本写真家協会会員、(社)日本旅行作家協会会員