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飛鳥Ⅱ

江戸の世界に浸る洋上の落語会

  • 緯度:S 23度 52分
  • 経度:E 152度 58分
  • 天気:曇り
  • 気温:28.0 度
  • 速力:16.4 ノット
  • 海域:太平洋
  • 寄港地:終日航海日

今航2回目となる時刻改正を明日深夜に控え、5時28分とかなり早まっている今朝の日の出。朝の空を覆う雲の隙間からは薄く日が差し込み、天気が回復傾向の兆し。昨日に引き続き風は強いものの、航路の東側にあるグレート・バリア・リーフが自然の防波堤となり、波は比較的穏やかになっているとの説明が朝の船内放送にありました。

午前中に久保先生の囲碁教室へお邪魔したあとは、リドカフェで遅めのランチ。ゲストの植竹隆政シェフによる料理が振る舞われたとあって、多くのお客様も足を運んだのではないでしょうか?供されたのは「鶏もも肉とごぼうの白いミートソース」と「魚介のトマト煮ラグーソース」の2種のスパゲッティ。欲張って2皿ともオーダーしたのは筆者だけではないはずです。

毎夜のごとくさまざまなショーが催されるギャラクシーラウンジですが、今夜の舞台は一風変わった佇まい。「揺れる高座なんてなかなかないですよ」と軽妙なまくらで観客を沸かすのは、ちょんまげ頭がトレードマークの立川志の八師匠。古典落語の人情噺『子別れ』を演じると、江戸の下町へと瞬く間にトリップ。オセアニアの洋上で味わう贅沢な落語会となりました。

永島 岳志

著者紹介/永島 岳志

1980年、埼玉県生まれ。石川県金沢市在住。
システム会社勤務後、アジア放浪を経て写真雑誌の編集者へ転身。その後、ユーラシア〜アフリカ大陸のバックパッカー周遊、北米大陸自転車横断を経て帰国。2014年からはフリーランスとして編集業とともにカメラマンとしても活動する。
2018・2019年に「飛鳥Ⅱ」の海外クルーズにてフォトエッセイ&写真教室を担当。