photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

夏の長い一日

  • 緯度:S 39度 34分
  • 経度:E 148度 47分
  • 天気:晴れ/霧
  • 気温:20.0 度
  • 速力:15.8 ノット
  • 海域:太平洋
  • 寄港地:終日航海日

ハイライトのひとつとなるミルフォードサウンドをいよいよ視界に捉え、「飛鳥Ⅱ」はタスマニア島との間に横たわるバス海峡を東へ航行中。4箇所目の寄港地となったメルボルンをあとにし、今航も気づけば折り返しとなる20日目を迎えました。過ぎた日々の濃密さに、あれやこれも同じ旅の出来事なのかと、時折ふと信じられない思いに駆られます。

電子機材をずらりと並べ、ハリウッドシアターに登壇されたのは環境音楽家の小久保隆さん。『世界の癒しの自然音を求めて』と題し、世界各地で採取した音源やそれらに導かれて創作された音楽に身を浸す贅沢なトーク&ライブが開催されました。「僕のライブは眠くなりますからね」と謙遜しつつ、熱帯雨林からカリブ海のビーチまで夢想旅行へといざなうのでした。

つのだ☆ひろさんのコンサートでは、ラテン音楽で用いられる打楽器・ティンバレスの演奏も披露。自ら日本語詞をつけたという『テキーラ』を、軽快なドラミングで賑やかに歌い上げました。日没間際の21時からはリド後方のオープンデッキでカクテルナイトなるイベントも。心地よい海風とアスカオーケストラの演奏とともに、夏の長い一日の終わりを祝いました。

永島 岳志

著者紹介/永島 岳志

1980年、埼玉県生まれ。石川県金沢市在住。
システム会社勤務後、アジア放浪を経て写真雑誌の編集者へ転身。その後、ユーラシア〜アフリカ大陸のバックパッカー周遊、北米大陸自転車横断を経て帰国。2014年からはフリーランスとして編集業とともにカメラマンとしても活動する。
2018・2019年に「飛鳥Ⅱ」の海外クルーズにてフォトエッセイ&写真教室を担当。