photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

2025/4/4(金)

南シナ海、洋上の囲碁教室

  • 緯度:N 18度 58分
  • 経度:E 119度 23分
  • 天気:曇り
  • 気温:27.0 度
  • 速力:18.8 ノット
  • 海域:南シナ海
  • 寄港地:終日航海日

昨夕に有人島としては日本最南端の波照間島を過ぎ、台湾とフィリピンの間のバシー海峡を抜け、「飛鳥Ⅱ」は南シナ海へとやってきました。外気温は29度、クルーの制服が夏用に変わりました。つい何日か前に肌寒さの残る日本を後にしたのが嘘のよう。お客様もおおかた荷解きを済ませて船内生活に慣れた頃でしょう。各種教室も続々スタートしています。

きょうはそんな教室の先陣を切る、囲碁教室にお邪魔しました。教えてくれるのはアンティ・トルマネン先生。フィンランド出身で日本語ぺらぺら、日本の漫画『ヒカルの碁』の影響で棋士になったという方です。その先生が教える初級の第一回は、本当に分かりやすい解説でした。囲碁はオセロと違い線の交点に石を打つ、あとひとつで周囲を囲まれ取られてしまう状態を「アタリ」と呼ぶ、等々。 その後も船内では京劇のワークショップや金継ぎについての講演、写真教室説明会など、多くのプログラムが続きました。ショーは今の海域にふさわしい『新潮劇院 京劇ショー 〜第一夜〜』。中国版の歌舞伎とも言える派手なメイクと豪華な衣装で唄や踊りを披露する、ダイナミックなステージでした。場面解説の字幕を両袖に出してくれるのも親切で、すっかり物語の虜になりました。

高橋 敦史

著者紹介/高橋 敦史

1972年生まれ。東京都出身。
旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。クルーズ写真家として各媒体での撮影・執筆を担当するほか、旅のジャンルは温泉旅行からバックパッカー旅、リゾートなどまで経験豊富。2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師・フォトエッセイ担当を務め、以後ロングクルーズに度々乗船している。