photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

2025/5/6(火)

インフォーマルの晩の音色は

  • 緯度:N 18度 23分
  • 経度:W 17度 49分
  • 天気:曇り
  • 気温:22.5 度
  • 速力:18.2 ノット
  • 海域:大西洋
  • 寄港地:終日航海日

きょう5月6日、気づくとアスカプラザの鯉のぼりが片付いていて、「飛鳥Ⅱ」の船内の雰囲気がまたひとつ先の旅へと進んだような気がします。そんな朝にはちょっと珍しい催しもありました。若手機関士4人による講演『機関室のご紹介 〜伝えたい環境がある〜』です。この大きな客船が日々絶え間なく走り続けるために機関部のクルーたちが何をしているか、という話。

これこそ、ロングクルーズでしか聞けない話でしょう。電気推進船である「飛鳥Ⅱ」は大きなエンジンで発電し、その電力でモーターを回して航行するそうです。ほかにも海水から真水を作る造水器の秘密など。できた水は純水で、適度なミネラル分を足すといい、蛇口から出る水のミネラル分は「富士山の水とほぼ同じ」。彼らの日々の仕事によって、快適な旅が続けられるのだとも気づきます。

昼には今航再びの「太陽が真上にくる日」でお客様がプールサイドに集まり、ドレスコードがインフォーマルの艶やかな晩には、癒しのギタリストとして皆に親しまれた岡野雅一さんがテネリフェ下船を控えて最後の演奏。ご当人が写した写真と動画のスライドショーをバックに「世界を旅するクラシックギタリスト」の本領発揮、美しい音色に心温まるひとときとなりました。

高橋 敦史

著者紹介/高橋 敦史

1972年生まれ。東京都出身。
旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。クルーズ写真家として各媒体での撮影・執筆を担当するほか、旅のジャンルは温泉旅行からバックパッカー旅、リゾートなどまで経験豊富。2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師・フォトエッセイ担当を務め、以後ロングクルーズに度々乗船している。