どんな出会いの瞬間も、
“今”ここにしかない。

K.Watanabe

飛鳥クルーズ第15代船長

01何よりも安全を優先した上で、不測の事態も笑顔に変える。

初代「飛鳥」には二等航海士、次席一等航海士として5年間乗船しました。その後貨物船を経験し、2015年から2017年までの2年間は「飛鳥Ⅱ」の副船長を務め、2024年3月中旬より飛鳥クルーズ第15代船長に就任することとなりました。
船長として一番の使命は船の安全を守ることです。しかし、これは1人で達成できるものではありません。印象深いのは、副船長時代に経験した出来事です。青森から横浜への帰路、東方海上で台風の接近が予想されていたため、安全を最優先して青森港の出港を大幅に早めることとなりました。お客様に最大限クルーズを楽しんでいただきたい我々としては、まさに苦渋の決断です。しかし、お客様の安全は何物にも代えることはできません。結果的に帰着日に遅れることなく横浜港へ入港も叶い、航路変更に際して本船の決断にご理解を示してくださったお客様に何よりも感謝すると共に、港関係者、会社、本船の迅速な対応にとても感動しました。出港を早めた分、船内での時間をより特別なものにしようと、エンターテイメント部門が中心となって特別プログラムを実施し、お客様の笑顔を見られたことも温かな思い出となりました。

02飛鳥クルーズでなければ体感できない、偉大な景色。

25年以上船とともに過ごしてきた私ですが、お客様、乗組員、寄港地、航路、天候など、一度として同じ組み合わせはあり得ません。同じ航路、同じ寄港地であっても、人と人との出会いがつくる唯一無二の体験や、様々な気候条件が織りなす感動的な景色は、いつも新鮮に私の胸を打ちます。
めずらしいクルーズとして思い出に残っているのは、南半球を巡る世界一周クルーズです。多くの世界一周クルーズがヨーロッパを経由する中、このクルーズは南アフリカなどを経由し、飛行機では行き着くことが難しい寄港地を巡ることができました。中でもケープタウンは圧巻で、船が近づくにつれテーブルマウンテンの堂々たる風格に見惚れてしまいました。テーブルマウンテンは地球上で最も古い時代の岩石からなり、山頂が平らでまるでテーブルのような形をしています。世界的に有名でありながら、船でなければ体感できない偉大な景色に心から感動したことを覚えています。

03日々を感動の瞬間で満たし、クルーズ文化を創造する。

世界各国を初代「飛鳥」、「飛鳥Ⅱ」と共に巡ってきましたが、日本を巡るクルーズも同じように私の心を湧き立たせます。日本の寄港地で思い入れ深いのは、母港である横浜、そして私の出身地である広島です。見慣れた故郷であっても、大型客船である「飛鳥Ⅱ」から眺めると全く違って見え、新たな魅力を発見できました。ぜひ、お客様にもご自身のふるさとを「飛鳥Ⅱ」から見つめる心地よい幸福感をご体感いただきたいと思います。
航海中は船長として緊張の連続ですが、お客様のお声が力になります。「飛鳥Ⅱ」でのどんな瞬間も、その場にいる皆様としか共有できません。皆様一人ひとりとの出会いに感謝し、日々を感動の瞬間で満たすことで、唯一無二の素晴らしいクルーズ体験を皆様にお届けしていきたいです。