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飛鳥Ⅱ

2024/5/24(金)

歴史あるカンタベリー大聖堂へ

  • 緯度:N 51度 7分
  • 経度:E 1度 19分
  • 天気:晴れ
  • 気温:14.5 度
  • 速力:11.3 ノット
  • 海域:-
  • 寄港地:ドーバー

ドーバー停泊2日目のきょうは、バスで約30分の歴史ある街へ向かう「カンタベリー半日観光(午前)」に参加しました。最大の見どころは世界遺産のカンタベリー大聖堂。西暦597年に修道士アウグスティンが布教のために修道院を建てたのが始まりで、イギリス国教会の総本山になっていて、今でも世界的に重要な巡礼地となっています。

聖地として巡礼者が熱心に目指す理由は1170年の大司教トマス・ベケットの殉教です。対立していた当時の国王ヘンリー2世が「厄介者の大司教を消し去ってほしい」とつぶやいたのを4人の騎士が真に受け、大聖堂の回廊から侵入して大司教を惨殺してしまったのです。その場所こそが写真上、マータダムと呼ばれる殉教の場。

大司教亡きあとさまざまな奇跡が起こり、死後わずか3年で聖人と崇められたとか。大聖堂はクワイヤ(聖歌隊席。写真右下)やその先のトリニティ礼拝堂なども立派で、規模と美しさに言葉をなくすほど。小都市ながらも歴史の深い場所ゆえに巡礼者を迎える門前町も古風で華やか。じつに情緒に富んでいました(同左下)。

高橋 敦史

著者紹介/高橋 敦史

1972年生まれ。東京都出身。
旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。クルーズ写真家として各媒体での撮影・執筆を担当するほか、旅のジャンルは温泉旅行からバックパッカー旅、リゾートなどまで経験豊富。
2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師を務め、以後ロングクルーズに度々乗船している。