photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

2024/5/18(土)

凪のイギリス海峡をゆく

  • 緯度:N 50度 15分
  • 経度:W 0度 4分
  • 天気:
  • 気温:13.5 度
  • 速力:5.8 ノット
  • 海域:大西洋
  • 寄港地:終日航海日

昨晩オンフルールを発った「飛鳥Ⅱ」はイギリス海峡からドーバー海峡へと、およそ7ノット(13km/h)のゆっくりとした速度で東進しています。時折弱い雨が降るものの朝からずっと凪いでいて、引き波の小さな音だけがさわさわと響いています。そんな穏やかな日の午前中にハリウッドシアターで開かれたのが、写真左下の「タガログ語教室」です。

世界一周も中盤に差し掛かった今、お客様が実感していることのひとつは、船内各所の仕事を担うフィリピン人クルーの優しさでしょう。客室係やダイニングのスタッフなど日頃から接する彼らと顔馴染みになり、「もっとコミュニケーションを深めたい」と思っていらっしゃる方も多いはず。ご参加のお客様はみな熱心にメモを取ったり発音の練習をしたりしていました。

そしてきょうは夕日が格段に鮮やか。デッキに出るとご覧の光景です(同上)。右端の動画カメラマンはエンターテイメントチームのフィリピン人スタッフ。「あなたのいい写真が撮れたよ」と伝えて、記念に渡す約束をしました。晩のメランデ・ピアノ四重奏団によるコンサート(同右下)もそんな穏やかな一日にぴったりの、気品に満ちた演奏でした。

高橋 敦史

著者紹介/高橋 敦史

1972年生まれ。東京都出身。
旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。クルーズ写真家として各媒体での撮影・執筆を担当するほか、旅のジャンルは温泉旅行からバックパッカー旅、リゾートなどまで経験豊富。
2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師を務め、以後ロングクルーズに度々乗船している。