photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

旅の門出を祝う鏡開き

  • 緯度:N 34度 40分
  • 経度:E 135度 11分
  • 天気:晴れ
  • 気温:11.0 度
  • 速力:14.5 ノット
  • 海域:-
  • 寄港地:神戸

出航後初めての一夜を過ごし、皆様は気持ちの良い目覚めを迎えられたでしょうか?雑事にかまけ、船旅への心の準備が整う前に乗船日を迎えてしまった筆者ですが、むくりとベッドから起き上がり外を眺めれば、そこにあるのは白んだ大海原。昨日までとは明らかに異なる朝の風景に、ようやく旅の実感が湧いてきたように思います。

神戸からのお客様を無事お迎えしたあとは、セイルアウェイ・パーティーが華々しくスタート。柔らかな西日が神戸ポートタワーをピンク色に染め上げる頃、プロムナードデッキではナマナの演奏に多くの笑顔があふれました。そして「飛鳥II」はゆっくりと旋回して港をあとへ。昼に通過した友ヶ島水道を再び通り、いよいよ南へと針路を取ります。

アスカラウンジでは旅の門出を祝って鏡開きが執り行われました。振る舞われたお酒は車多酒造の天狗舞。筆者の住む石川県の地酒と聞いて、こっそりと誇らしい気分になったことをここに白状します。フォーシーズン・ダイニングルームでは夕食に「安航鍋(あんこうなべ)」が登場し、縁起の良い一夜となりました。

永島 岳志

著者紹介/永島 岳志

1980年、埼玉県生まれ。石川県金沢市在住。
システム会社勤務後、アジア放浪を経て写真雑誌の編集者へ転身。その後、ユーラシア〜アフリカ大陸のバックパッカー周遊、北米大陸自転車横断を経て帰国。2014年からはフリーランスとして編集業とともにカメラマンとしても活動する。
2018・2019年に「飛鳥Ⅱ」の海外クルーズにてフォトエッセイ&写真教室を担当。