photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

南洋の島・サイパンに息づく日本の面影

  • 緯度:N 15度 14分
  • 経度:E 145度 44分
  • 天気:晴れ
  • 気温:29.0 度
  • 速力:16.0 ノット
  • 海域:-
  • 寄港地:サイパン

夜明けが訪れるほんの少し前、「飛鳥Ⅱ」は静かに最初の寄港地・サイパンに着港しました。乾季にあたる1月は、雨の心配もなく過ごしやすいサイパン観光のベストシーズン。中心地のガラパンでショッピングや散策に興じた方も、ツアーに参加した方も存分に楽しめたのではないかと思います。

筆者はお客様に同行して半日観光ツアーへ。道路の右側を走るバスに揺られ、海外へやってきたという実感が湧いてきます。現地ガイドの話では、サイパンでは日本統治時代に日本人が持ち込んだ米や醤油といった食文化がいまでも根付いているのだそう。戦争の遺跡にかつての惨禍を思う一方で、サイパンと日本との深いつながりを感じさせるエピソードでした。

旧日本軍の司令部跡・ラストコマンドポストや、彩帆(さいぱん)香取神社といった日本に縁のあるスポットを巡ったほか、バードアイランド展望台ではウミガメに遭遇するサプライズも。彩帆連による阿波おどりで見送られ、多くの思い出を胸に次なる寄港地・ケアンズを目指し、西日に照らされたサイパンを出港しました。

永島 岳志

著者紹介/永島 岳志

1980年、埼玉県生まれ。石川県金沢市在住。
システム会社勤務後、アジア放浪を経て写真雑誌の編集者へ転身。その後、ユーラシア〜アフリカ大陸のバックパッカー周遊、北米大陸自転車横断を経て帰国。2014年からはフリーランスとして編集業とともにカメラマンとしても活動する。
2018・2019年に「飛鳥Ⅱ」の海外クルーズにてフォトエッセイ&写真教室を担当。