photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

歴史と文化の薫る街・メルボルンを訪ねて

  • 緯度:S 37度 51分
  • 経度:E 144度 56分
  • 天気:晴れ
  • 気温:30.0 度
  • 速力:15.8 ノット
  • 海域:-
  • 寄港地:メルボルン

夜明け前からの入港シーンの撮影も定番となりましたが、今朝は右舷側から朝日が昇るまでは少し肌寒いくらいの気温で、久しぶりにジャケットを羽織って臨みました。こちらも日の出風景が目当てなのか、メルボルン市街の東の空には気球の姿も。ベッドのなかの住民たちもまさか海と空から同時に眺められているとは知るまいと、ひとり愉快な気持ちになりました。

歴史的な建築物が多く残るメルボルン。大都市ながら地方らしいのんびりとした空気も同居し、世界で最も暮らしやすい都市に名を連ねるのも頷けます。そしてここで懺悔をひとつ。観光名所のひとつ、ロイヤルエキシビジョンビルの撮影中にいまさら気づいたのが日中の太陽が北向きにあること。カメラマンにあるまじき無頓着ぶりに我ながら呆れてしまいました。

夕方18時、立つ鳥跡を濁さずの言葉のごとく、「飛鳥Ⅱ」は静かにメルボルン港を出港しました。出港風景を撮り終えて足を運んだリドデッキ後方では、シェフが炭火焼きの準備中。聞けばプレミアダイニング「ザ・ベール」をご利用のお客様のために、シドニー湾で仕入れたロブスターや鮑をご提供するとのこと。その新鮮な海の幸にきっと舌鼓を打たれたことでしょう。

永島 岳志

著者紹介/永島 岳志

1980年、埼玉県生まれ。石川県金沢市在住。
システム会社勤務後、アジア放浪を経て写真雑誌の編集者へ転身。その後、ユーラシア〜アフリカ大陸のバックパッカー周遊、北米大陸自転車横断を経て帰国。2014年からはフリーランスとして編集業とともにカメラマンとしても活動する。
2018・2019年に「飛鳥Ⅱ」の海外クルーズにてフォトエッセイ&写真教室を担当。