photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

船の似合う街・オークランド

  • 緯度:S 36度 51分
  • 経度:E 174度 46分
  • 天気:晴れ
  • 気温:22.0 度
  • 速力:15.4 ノット
  • 海域:太平洋
  • 寄港地:終日航海日

朝の6時を少し回った頃、景色を眺めようと11デッキの船首側へ向かうと、夜明けを待つオークランドのビル群がすぐ目の前まで迫っていました。オークランドはニュージーランド最大の都市であり、「City of Sails(帆の街)」と呼ばれるほど市民のヨット所有率は高いのだそう。クルーズターミナルがこれだけ街の中心部に近いのも、そうした街の気風が関係しているのでしょう。

終日を自由行動で過ごした筆者は、クルーズターミナルから目と鼻の先にある乗り場からフェリーに乗って対岸のデボンポートへと足を伸ばしました。ここはコロニアル調の建築が目を引く小さな港町ですが、目当ては対岸から眺める「飛鳥Ⅱ」。桟橋から歩いて20分ほどの場所にある小高い山の山頂からは、思った通りの素晴らしい眺望にお目にかかることができました。

市街に戻り、最終帰船時刻を気にしながら街を散策していると、「海風が気持ちいいから」とベンチに腰掛けて涼んでいるお客様とばったり。オークランドにはもっと長く滞在したかったという声も多く、それだけ魅力にあふれた寄港地だったということでしょう。名残惜しくもあとにしたオークランド。「飛鳥Ⅱ」と束の間の時間を共有したその美しい風景をお届けします。

永島 岳志

著者紹介/永島 岳志

1980年、埼玉県生まれ。石川県金沢市在住。
システム会社勤務後、アジア放浪を経て写真雑誌の編集者へ転身。その後、ユーラシア〜アフリカ大陸のバックパッカー周遊、北米大陸自転車横断を経て帰国。2014年からはフリーランスとして編集業とともにカメラマンとしても活動する。
2018・2019年に「飛鳥Ⅱ」の海外クルーズにてフォトエッセイ&写真教室を担当。