photo essayフォトエッセイ

飛鳥Ⅱ

2025/3/31(月)

飛鳥Ⅱでは最後となる世界一周クルーズへ

  • 緯度:N 35度 27分
  • 経度:E 139度 39分
  • 天気:曇り
  • 気温:9.0 度
  • 速力:- ノット
  • 海域:-
  • 寄港地:横浜

先週から急に春めいて各地から桜の便りが聞かれ始めたと思ったら、ひるがえってここ数日の肌寒さ。季節はそうして少しずつ進むのでしょう。そんな3月末日、初代「飛鳥」より約20年に渡って歴史を紡いだ「世界一周クルーズ」が今年もいよいよ始まります。今回のこのクルーズで、「飛鳥Ⅱ」としては最後の世界一周になるそうです。

岸壁にはたくさんのお見送りの方が並び、こちらの船側には7デッキ屋外にご乗船のお客様。お互い手を振ったり写真を撮りあったり。セレモニーの演奏が響き色とりどりの風船が上がる中、定刻正午に「飛鳥Ⅱ」は汽笛を3回鳴らしていざ出航。カメラをどこに向けても真っ白な写真に仕上がる不思議な曇り空ではあるものの、それもまたよし、と思います。

というのも、「世界一周クルーズ」というキャンバスはまさにまだ「真っ白」。どんな思い出で、どんな色に染めてゆくかはお客様の自由です。同じ旅でも感じ方は十人十色。この先シンガポールから西へ向かってアフリカ南端を経て、ヨーロッパそして大西洋横断へ……。心躍る国や寄港地が山ほどあります。キャンバスを色鮮やかに染めるであろう魅惑の船旅に胸を膨らませ、東京湾を後にしました。

高橋 敦史

著者紹介/高橋 敦史

1972年生まれ。東京都出身。
旅行媒体を主とするフリーランスの編集ディレクター・紀行作家・フォトグラファー。クルーズ写真家として各媒体での撮影・執筆を担当するほか、旅のジャンルは温泉旅行からバックパッカー旅、リゾートなどまで経験豊富。2014年世界一周クルーズより「飛鳥Ⅱ」の写真教室講師・フォトエッセイ担当を務め、以後ロングクルーズに度々乗船している。